どうも、あおです。今回は「Identity V」、通称第五人格を検証します。
NetEaseが2018年に放った1対4の非対称対戦ゲームで、今年で8年目。
App Store評価は4.55(レビュー46.1万件)と、対戦ゲームとしては驚異的な数字を保っています。
ハンター1人とサバイバー4人が荒れ果てた荘園で追いかけ合う「究極の鬼ごっこ」は、なぜ8年間も愛され続けているのか。
ゴシックホラーの霧の中へ、じっくり潜って確かめてきました。あおスコアは8/10です。

どんなゲーム? 逃げる4人、追う1人
ルールは、極限まで洗練された鬼ごっこです。
サバイバー4人は、マップのあちこちに散らばる暗号機5台を解読して、脱出ゲートを開くのが目標。
対するハンター1人は、その前にサバイバーたちを捕まえてロケットチェアへ送り込むのが目標です。
解読を進めたいけれど音を立てれば見つかる、倒れた仲間を救助したいけれどそれは罠かもしれない。
あらゆる行動がそのまま駆け引きになる設計です。
サバイバーで遊べば協力と逃走のスリルが、ハンターで遊べば狩りの読み合いが待っている。
1つのゲームの中で2つのまったく違う体験ができるのが、非対称対戦というジャンルの醍醐味です。

チェイスという華
本作の花形はなんといっても「チェイス」、つまりハンターに見つかったサバイバーが板や窓を駆使して逃げ回る攻防の時間です。
板を倒すタイミングの読み合い、障害物を回る旋回の駆け引き、マップの地形把握。
上手いサバイバーはたった1人で何十秒もの時間を稼ぎ、その間に仲間たちが解読を進めます。
この「追われる側こそが主役になれる」設計が、ただの鬼ごっこを競技へと昇華させました。
ハンター側にもキャラクターごとの固有能力が用意されていて、逃げ道を先回りして読み勝ったときの快感はサバイバー以上とも言われます。
どちらの椅子に座っても、それぞれ別の種類の脳汁が待っています。

評価4.55の中身を読む
レビューを読み込むと、高評価の中心は「対戦の駆け引きが唯一無二」「世界観と物語が良い」「衣装が豪華」という声。
低評価側は「民度・切断への不満」「ランク戦の連携格差」「新規と古参の壁」に集中しています。
チーム戦ゆえの人間関係のストレスはこのジャンルの宿命ですが、8年目に入ってなおこの高評価を保っているのは、対戦の骨格そのものへの信頼が揺らいでいない何よりの証拠です。

課金まわりを冷静に見る
課金の対象はキャラクターと衣装が中心で、性能に直結する課金はいっさいありません。
キャラクターはゲーム内通貨をコツコツ貯めても解放でき、勝敗を分けるのは純粋にプレイヤーの腕とチームの連携だけです。
衣装の豪華さはこのゲームの文化そのもので、限定衣装の美術はもはや工芸品の域ですが、それもあくまで見た目の世界の話です。
「強さは無料で、美しさだけが有料」というこの設計は、対戦ゲームのマネタイズの理想形のひとつだと思います。

気になる点も正直に
不満点も書いておきます。
第一に、対人のチーム戦ゆえに、味方への不満や試合放棄・切断などの民度問題がどうしても付きまとうこと。
第二に、キャラクターと立ち回りの知識の蓄積が8年分あって、新規が読み合いの土俵に立てるようになるまでの学習コストが高いこと。
第三に、ランク戦ではパーティ勢と野良勢の連携差がはっきり出やすいことです。
ホラーが苦手な人への注意も一応書いておきます。
怖さは雰囲気を味わう程度で突然驚かせてくる類ではありませんが、世界観全体の暗さについては好みが分かれるところです。
序盤の指針
これから始める人への指針です。
まずはサバイバー側で、解読・救助・チェイスの基本をカスタム戦や低ランク帯で体に叩き込むのが先決です。
板を倒すタイミングと救助に向かうタイミングを覚えるだけで、チームへの貢献度が激変します。
ハンター側は基本を掴んでから触ると、両方の視点への理解が深まって上達が一気に加速します。
キャラクターは状況に応じて柔軟に選べるよう、ゲーム内通貨で数体揃えておくのがおすすめです。
解読特化や救助特化といった役割を意識して選ぶと、野良のチームでも自然と噛み合います。
1日の遊び方と生活への収まり
1試合は10分前後で終わり、日課の消化まで込みでも30分あれば十分に回ります。
ランク戦は連戦の熱に呑まれやすいので、1日の試合数を自分で決めておく規律が大事です。
イベントや物語の推理コンテンツはソロで気楽に消化できるので、対人戦に疲れてしまった日の逃げ場もきちんと用意されています。
物語と美術という、もうひとつの主役
本作は、探偵が荘園の失踪事件を推理するという枠組みの中で、キャラクターたちの過去が断片的に明かされていく重厚な物語を持っています。
ゴシックホラーの退廃的な美術、不穏な音楽、考察が捗る伏線の数々。
この世界観の深さが、対戦ゲームでありながら二次創作や考察の文化を巨大に育て上げました。
対戦の腕前とはまったく無関係に、この霧の世界の住人になることができる。
8年続いてきたコミュニティの厚みは、勝ち負けではなく物語への愛によって支えられています。
eスポーツと大会文化
本作は日本国内でもプロリーグが運営されるという、非対称対戦ゲームとしては異例の競技シーンを持っています。
1対4という構造上、観戦では追う側と逃げる側の思惑が同時に見えるため、実況解説付きの試合はまるで将棋の解説番組のような面白さです。
トップ選手のチェイス技術は曲芸の域に達していて、観るだけで自分のランク戦へ持ち帰れる学びも多くあります。
大会の観戦をきっかけにゲームを始める逆流入のプレイヤーも多く、競技シーンがゲーム人口の新陳代謝を支えるという理想的な好循環が続いています。
端末負荷とプレイ環境
動作は軽めの調整がよく効いていて、ミドルクラスの端末でも安定して遊べます。
ただしリアルタイム対戦である以上、回線の品質は勝敗と味方からの信用に直結します。
試合中の切断は味方への大きな迷惑になるため、ランク戦は必ず安定した回線環境で挑みましょう。
1試合10分前後の集中を要するぶん、電池の消費は標準的な範囲です。
こんな人におすすめ
- 読み合いの対戦ゲームが好きな人
- ゴシックホラーの世界観に惹かれる人
- 課金で差がつかない対戦を求める人
- チーム戦の人間模様と付き合える人
まとめ:鬼ごっこを競技に変えた、8年目の金字塔
Identity Vは、鬼ごっこという人類最古クラスの遊びを、読み合いと物語と美術の力で競技へ昇華させた、非対称対戦ジャンルの金字塔でした。
評価4.55という数字は、その発明への信頼が8年間ずっと保たれ続けている証だと思います。
あおスコアは8/10です。追う側の高揚と逃げる側の恐怖、両方の心拍数をたった1本で味わえるゲームは、そうそうありません。
霧の立ちこめる荘園で、お待ちしています。