どうも、あおです。今回は「陰陽師 本格幻想RPG」を検証します。
NetEaseが2017年に日本へ持ち込んだ和風幻想のターン制RPGで、今年で10年目。
App Store評価は4.4(レビュー2.2万件)。
妖怪「式神」たちを集めて戦う、あの耽美な平安絵巻の現在地を見てきました。
世界的な大ヒットを記録しながら、日本では派手に騒がれるのではなく、静かに深く愛され続けている本作。
その独特の立ち位置ごと、じっくり検証していきます。あおスコアは7/10です。

どんなゲーム? 式神を集めるターン制RPG
プレイヤーは陰陽師となって、平安京に跋扈する妖怪「式神」たちと契約を交わし、共に戦っていくターン制RPGです。
戦闘は速度順に行動が回るオーソドックスなコマンドバトルですが、御魂(装備)のセット効果の組み合わせと行動順の管理が非常に奥深く、編成理論はやり込めばやり込むほど底なしの沼になっていきます。
八岐大蛇に酒呑童子、雪女に妖狐。日本の妖怪たちが耽美なデザインで現代に蘇り、それぞれが固有の物語を背負っています。
この式神たち一体一体の存在感こそが、本作の魂です。

美術と音楽という別格の柱
本作を語る上で絶対に外せないのが、美術と音楽の水準の高さです。
水墨画と浮世絵の間をたゆたうような画風、京都の底冷えする空気を思わせる背景、そして和楽器を基調とした荘厳なBGM。
日本の会社ではなくNetEaseがここまで濃密な「和」の空気を作り上げたことは、リリース当時から驚きをもって語られてきました。
声優陣も豪華絢爛で、式神たちのボイスは聞き応え十分です。
夜、部屋を暗くしてイヤホンで遊ぶと、そのまま平安の闇に引き込まれていきます。

評価4.4の中身を読む
レビューを読み込むと、高評価の中心は「世界観と美術が唯一無二」「式神への愛着」「対人戦の駆け引き」という声。
低評価側は「ガチャのSSR確率の渋さ」「御魂厳選の周回の重さ」「新規と古参の差」に集中しています。
特にSSRの排出確率の低さは半ば伝説的で、その渋さはファンの自虐ネタの定番になっているほどです。
それでもみんなが続けているのは、確率の渋さを補う配布の積み重ねと、式神たちへの愛がそれを上回っているからでしょう。

課金まわりを冷静に見る
課金の中心は召喚(ガチャ)です。
SSRの排出確率は渋めながら、通貨である勾玉の配布は日課とイベントで安定して供給されていて、天井的な救済の仕組みも年々整備されてきました。
対人戦の上位を目指すのでなければ、無課金でもコレクションと物語は十分に楽しめます。
スキン(式神の着せ替え)の美術は本作の華とも言うべき存在で、課金の主戦場はむしろこちら側にあります。
強さではなく美しさにお財布が動くこの構造は、対戦の軍拡と比べれば、平和と言えばとても平和です。

気になる点も正直に
不満点も書いておきます。第一に、御魂の厳選周回はどうしても作業感が強く、育成の最終盤は忍耐の世界になること。
第二に、10年分のコンテンツとシステムが幾層にも積み重なっていて、新規プレイヤーの学習コストが高いこと。
第三に、対人環境の研究が深すぎて、生半可な編成ではまるで勝負にならないことです。
「効率よく強くなるゲーム」として遊ぶと疲れます。
「平安の夜に通い、式神を愛でるゲーム」として遊ぶのが、本作の正しい戸の叩き方です。
序盤の指針
これから始める人への指針です。
序盤はメインストーリーを進めながら、探索で式神の欠片と経験値を稼いでいくのが基本になります。
育成は主力アタッカー1体と補助役の式神に集中投資して、御魂は「攻撃・会心」系のセット効果を揃えるところから始めれば、大きく外すことはありません。
寮(ギルド)に入ると育成の支援ボーナスが手厚くなるので、居心地の良い緩めの寮を早めに見つけておくのが、快適な陰陽師生活への近道です。
1日の遊び方と生活への収まり
日課の消化は15〜20分ほどです。周回はオートに対応しているので、御魂厳選の日は家事のながら作業でも回せます。
対人戦やイベントに本気を出す日だけ時間が伸びていく、標準的なソシャゲの生活リズムです。
深夜の雰囲気がよく似合うゲームなので、寝る前の時間帯との相性が良いのはご愛嬌というところでしょう。
文化としての陰陽師
最後に少し大きな話を。本作は世界的な大ヒットを経て、対戦ゲームや映画など数多くの派生作品を生み出したIPの原点です。
日本の妖怪文化を現代のゲーム美術で再解釈して、逆輸入のような形で本場の日本に受け入れられた、きわめて稀有な例でもあります。
和風幻想というジャンル全体の美術水準を一段引き上げた功績は、静かながら確かなものです。
10年目を迎えた今も、新しい式神が実装されるたびにその美術がまず話題になる。
この美意識の持久力こそが、本作というゲームの本体なのだと思います。
百鬼夜行と対人戦という二つの遊び場
コンテンツの幅にも触れておきます。
ソロ派には探索と高難度の秘聞などの攻略、収集派には式神図鑑と伝記の読破、競技派には斗技(対人戦)と、遊び場は多方面に用意されています。
特に対人戦は行動順とバフデバフの読み合いが濃密で、環境研究の深さは対戦ゲーム顔負けです。
どの遊び場への参加も強制されないので、自分に合う楽しみ方を選んでそこに住み着くことができます。
10年選手らしい、懐の深い街のような作りです。
式神の伝記という読み物
式神一体ごとに用意された伝記は、本作の隠れた宝物です。
妖怪たちの生前の記憶や残した未練が短編小説のような筆致で語られていて、読後の切なさの余韻が長く残ります。
戦力として引いただけの式神の伝記をふと読んで、いつの間にか推しになっている。
この丁寧な導線が、ただのコレクションに魂を通わせているのです。
日本の妖怪譚が好きな人なら、この伝記を読むためだけに遊ぶ価値があります。
端末負荷とプレイ環境
美麗な2D中心で動作は安定しており、ミドル端末でも快適です。
データ容量は10年分でそれなりに大きいため、導入はWi-Fi推奨。オート周回中心なら電池負荷も穏やかです。
こんな人におすすめ
- 和風・妖怪の世界観に惹かれる人
- 美術と音楽を重視してゲームを選ぶ人
- 編成理論をじっくり煮詰めたい人
- 効率だけを求める人には非推奨
まとめ:美意識で10年生きた、平安の夜
陰陽師は、耽美な美術と荘厳な音楽、そして式神たちへの愛着を柱に、10年間ずっと独自の夜を守り続けてきた和風幻想RPGでした。
評価4.4という数字は、ガチャの渋さへの嘆きを、世界観への深い愛が上回り続けている証だと思います。
あおスコアは7/10です。
派手さや効率の良さとは別の物差しでゲームを味わえる人にとって、これほど濃密な夜はそうそうありません。
日が沈む逢魔が時に、ぜひ一度お越しください。